十
一
番
隊
「戦闘専門部隊」の異名を持つ。そのためか、作中ではやちる以外の女性死神の姿は見受けられない。好戦的な荒くれ者が大半を占め、十三隊最強を自負する。十一番隊員の中では「更木隊」と呼ばれることもある。「斬魄刀は直接攻撃系のみ」という暗黙の了解もあり、鬼道系の斬魄刀は持っているだけで腰抜け扱いとのこと。十一番隊には古来より「剣八」の名を継いだ死神が隊長を務めるという習わしがある。
隊花:鋸草(のこぎりそう)特色:戦い
更木剣八
(ざらき けんぱち)
声 - 立木文彦/演 - 鈴木省吾
護廷十三隊十一番隊隊長。前十一番隊隊長を倒し、隊長の座に着いた。
流魂街で最も治安が悪い北流魂街80地区「更木」出身。その地名を姓とし、代々最強の死神に与えられる称号「剣八(幾度切り殺されても絶対に倒れないという意味)」を自ら名乗った。右目に眼帯をし、髪の毛は11本に束ねてあり1つ1つのまとまりに1個ずつ鈴が編み込まれていて、顔の左側には大きな傷がある。入隊試験を受けず、前十一番隊隊長を決闘で殺害して(決闘で倒すこと自体は隊規にも定められた正式な隊長選出方法である)、いきなり隊長の地位に就いた実力者。死覇装はいつもボロボロである。風貌・言動共に荒々しく、圧倒的な威圧感を持って十三隊最強の戦闘部隊を率いている。しかし一方で部下思いな面もあり、涅マユリが一角に手を掛けようとしたときそれを庇ったりしている。大義や正義とはかけ離れた位置にいる性格のため、東仙からは忌み嫌われている。朽木白哉とは仲が良くない。
髪は自分でセットしており、髪は石鹸で洗っている(『カラブリ+』より)。そのためいつもパリパリの状態である。弓親がやりたいと言っても気持ち悪いのでやらせない。アニメ版の「死神図鑑ゴールデン」では、この髪の鈴をつけるのに3時間以上掛かるという。雀部から勧められたトリートメントで髪がサラサラになりセットできなかった苦い経験がある。それから雀部のことが少し嫌い。
嫌いな食べ物は納豆(糸が切れず、いつまで経っても食べられないから)。また、尸魂界での争乱後を描いた小説『BLEACH THE HONEY DISH RHAPSODY』ではカレーライスの匂いについて「鼻が馬鹿になりそうだ」と言っていた。羽裏色は滅紫(けしむらさき)。
行動原理 [編集]
強い相手と戦うことをなによりも愉しむ戦闘狂。視界を狭める眼帯も音で自分の居場所が伝わる鈴も、「あえてハンデを背負うことで戦いを楽しむ」ために着けている。
これらハンデを自らに課しても「敵が脆すぎて戦いを楽しむ暇がない」ため、常に加減して斬る癖までつけてしまっている。戦いで自身が負傷する事への恐怖心や躊躇が全くなく、敵の攻撃を受けたり予想外の事態に陥っても怯むこともない。斬られて血を流しながらも反撃する姿には、交戦した相手が恐怖を感じるほど。死すらも戦いを楽しむための代償とまで言い放つが、「死んだら何も斬れなくなってつまらない」とも思っており、ノイトラと戦い死を予感したときは「死ぬのはやだなぁ」と言っている。また、戦いとは対照的に職務には重きを置かず、戦いに関しても自分が楽しむ事が目的であるため、戦えなくなった相手に止めを刺すことにはこだわらない。この考え方が過去に対戦した一角に影響を与えている。
能力 [編集]
視界を遮る眼帯は技術開発局の作で着用者の霊力を削減する効果を持つ(並みの霊力の持ち主だと戦闘どころか生命維持すら危うい代物)。眼帯を外せば霊力の抑制が解ける為、眼帯を外したときが全力となる。
歴代全隊長の中で唯一【卍解】を修得しておらず、なおかつ自身の斬魄刀の名前すら知らない異例の存在。故に戦いでは斬魄刀の能力による戦闘を行うことはないが、それでも他の隊長を圧倒するほどの実力を持ち、手負いの状態、更に眼帯で霊力を抑制された状態でも隊長2名を相手に引けをとらない戦闘を繰り広げている。さらに歴代全十刃中最高硬度のノイトラの鋼皮を「慣れ」だけで斬ってみせた。
戦闘には極めて高い実力を持つ一方、霊圧の探査能力は低く、方向音痴である事も手伝って索敵能力は極めて低い。単純な肉弾戦や斬り合いを好むが、反面戦闘では鬼道を使用せず、その能力自体も現隊長中最低(鬼道を使用できるかどうかも不明)[1]。
護廷十三隊入隊当時元柳斎から剣道を習ったことがあるが、自分との相性の悪さから戦闘で実践していない。だが「剣は片手で振るより両手で振ったほうが強い」という考えには剣道の中で唯一納得しており、その考えに基づいた斬魄刀の両手持ちは十刃・ノイトラ(開放状態)に一撃で大きな深手を負わせるほどの威力を有する。
尸魂界篇 [編集]
一角を倒したという事で興味を持った一護と交戦。結果は引き分けになり(剣八本人は負けたと思っている)、直後自身の斬魂刀のことを知ろうとするなど更なる高みを目指す。一護に再び会うべく、部下達と共に織姫に協力。反逆者として東仙、狛村と対峙する。事態収拾後、何かと一護と戦いたがり、彼を認めており気に入っている。しかし一護本人からは戦いをしようとする度に敬遠されている。
破面篇 [編集]
元柳斎の命を受け、白哉と共に日番谷先遣隊を連れ戻す。その後、白哉・マユリ・卯ノ花と共に虚圏へ侵入した後、瀕死の一護を救出。ノイトラとの死闘を演じ、最終的に護廷入隊当時に元柳斎から教えられた剣道で勝利を収める。その後一護に織姫と共に現世に戻るよう忠告するも、通ってきた全ての黒腔が封鎖され、虚圏に幽閉された際は、一護に変わってヤミーとの対決を引き受け、白哉と反目しあいながらも共闘する。単行本のおまけでは眠っている(ふりをしている)ネルをひっぱたいて起こそうとし、気付いたネルに怖がられてしまう。
尚、剣八本人ではないが、内なる虚と戦う一護の精神世界にも登場。一護に戦闘本能を自覚させたことにより、内なる虚を抑える起因となっている。
斬魄刀 [編集]
斬魄刀は始解状態を保ち続ける「常時解放型」。形状は刀身がボロボロに欠けた長刀で、柄にも鞘にも晒しが巻いてある。己の力のみを信じ斬魄刀を理解する意思がないため名前は分からず、それゆえに能力も不明。名前を知る事で初めて解放された一護の斬月とは違い、名前を知らないこの状態が既に始解の状態。常時解放型の斬魄刀はこの2本しか登場していないため、どちらが例外であるかは定かではない。また、この2本それぞれの持ち主は戦闘において鬼道を全く使わない、霊圧の操作や探査が苦手という妙な共通点がある。
草鹿やちる
(くさじし - )
声 - 望月久代
身長109cm 体重15.5kg 2月12日生まれ
護廷十三隊十一番隊副隊長・女性死神協会会長
北流魂街79地区「草鹿」出身。赤子(捨て子)の頃に更木剣八に拾われた。剣八同様出身地を姓とし、名は剣八がこうありたいと願う人物「八千流(やちる)」の名前からつけられた。自身の生まれ故郷が常に殺し合いの場だったため、血以外の色を見たことがない。そのせいか、剣八に会ったときから、剣についた血を怖がりもせず触って喜んでいた。髪はピンク色で、ショートヘア。十三隊隊員中最小最軽量の体格で、外見・言動共に完全に幼児だが入隊試験を受けずいきなり副隊長の地位に就くほどの実力を持っている。
常に剣八と行動を共にし、移動時は常に剣八の背中に張り付いている。剣八を「剣ちゃん」と慕い、剣八の言うことしかきかない。また、倒れた剣八を軽々と持ち上げて建物の屋上へ飛んで運ぶなど、外見に見合わず卓越した身体能力をもつ。しかし自分が戦うよりも剣八が戦う姿を見る方が好きなため、作中では未だ戦闘場面が無い。特に剣八が戦いを楽しんでいるときは、やちるも楽しんでいる。
剣八と同じく霊圧を感知する能力に乏しい上に方向音痴であり、尸魂界編では彼女に頼って強い敵(一護)を探していた剣八は、付かず離れずの距離を延々と彷徨っていた。ジャンプフェスタオリジナルアニメでも同じ理由で、現世で標的を見失い、列車を追うことになった。
無邪気で人懐っこい性格で、副隊長で唯一上官に敬語を使わず、他の隊に迷惑をかけてもいるがその性分から涅マユリなどの一部の例外を除いて他の隊長達から可愛がられている。他人にあだ名をつけて呼ぶ(例えば一護の場合は「いっちー」、織姫の場合は「プルルン」、石田の場合は「エンピツ」、など)が、つけたあだ名を忘れることも。非常に足が速く、率先して事を成し遂げようと迅速な行動をとるが、それをすぐに忘れてしまう気楽な性分である。お菓子を食べるのが趣味で、好物は金平糖。大量に与えると流し込むようにして食べる。アニメでは卯ノ花烈の生け花教室や山本元柳斎重國の茶会に顔をだすが、休憩にでるお菓子・茶菓子を食べて帰る。小説版『BLEACH THE HONEY DISH RHAPSODY』では、一角曰く「どうしようもない馬鹿だが、オセロだけは人一倍強い」という設定が加えられている。
斬魄刀
腰には差さず下げ緒を手に持って引きずっている(一角に無理を言って車輪をつけてもらった)。
斑目一角(まだらめ
いっかく)
声 - 檜山修之/演 - 臼井琢也
身長182cm 体重76kg 11月9日生まれ
護廷十三隊十一番隊第三席・副官補佐
十一番隊の気風を体現するかのような好戦的な性格の死神。“勝つための戦い”ではなく“楽しむための戦い”を好む。坊主頭で足袋を履かず、刀と鞘を使った独特のスタイルで戦うため刀を腰に差さず常に持ち歩いている。鬼道の心得は全く無いが、白兵戦に関しては七番隊の副隊長・射場と対等に渡り合うなど、隊長クラスに匹敵する強さを持つ(弓親曰く「十一番隊で2番目に強い男」)。また、恋次が十一番隊にいた頃には戦い方を指南したことがある。
手先が器用でやちるの鞘の車輪も一角がつけてやった。坊主頭について言及されることを嫌っており、やちるに「ぱちんこ玉」「つるりん」などと言われるたびに怒っている。現世にいるときは木刀を腰ひもに差している。意外と律儀な性格で、砂に嵌って動けなかった一護が闘いの態勢が整うまで待ったり、現世派遣での居候先の浅野みず穂が用意した信じられないセンス(弓親の評)の服を文句も言わずに着たりしている。
死神になる前のとある戦闘以来、心の中で剣八に絶対的な忠誠を誓い、現在も「死ぬなら剣八の下で戦って死ぬ」ことを最大の目標として戦っており、隊長や副隊長になれる実力があるにもかかわらず、そのつもりはないと明言している。人に戦い方を教える際、最後に「殺す相手には名前を名乗れ」と教えている。これは彼の流儀でもある。「ツイている」と思ったときには「ツキツキの舞」という変な踊りをしながら喜びを表現する。
隊長・副隊長以外の死神で唯一【卍解】を習得しているものの、上記の理由により隊長に推薦されるのを嫌い弓親と恋次にしか教えていない。そのため戦闘では、人目に触れない状況でない限りはピンチに陥っても【卍解】を使わないという意地を見せている。だが射場にはそのことを知られており、後に狛村もその事実を知り黙認する(尚、劇場版第2作目では口止めをした上で日番谷と乱菊の前で【卍解】について明かしている)。
破面襲来の報を受けた際、その戦闘に関する実力から、恋次に「隊長・副隊長以外では最も信頼のおける死神」として現世への派遣を求められ、ルキアらと共に一護と再合流する。藍染の現世侵攻の際は転界結柱の守護を担当、破面ポウと対決するが、ポウに敗北を喫したため柱を壊され、狛村と射場に危機を救われることになった。
現世では半ば強引な形で浅野圭吾の家に居候していた時期があり、姉のみづ穂に相当気に入られている。アニメ版ではみづ穂との絡みも増えている。
斬魄刀:『鬼灯丸(ほおずきまる)」』
直接攻撃系の斬魄刀。能力解放と共に柄と鞘が繋がり菊池槍(穂先が片刃の短刀状の槍)へ変化、さらに、柄を分割し三節棍へ変形する。強度には難点があるものの、攻撃形態は変幻自在。柄に血止め薬が入っている。
解号は「延びろ『鬼灯丸』(のびろ『~』)」で槍に変形、「裂けろ『鬼灯丸』(さけろ『~』)」で三節棍になる。
【卍解】:『龍紋鬼灯丸(りゅうもんほおずきまる)』
解放と同時に、左右で形状の異なる二本の巨大な刃物、及びそれぞれの柄尻と鎖で繋がれた巨大な斧刃を持つ特殊な形態の武器に変形。敵の破壊のみに特化し、凄まじい破壊力を誇る反面、耐久力は卍解としては極めて低い部類に入る。解放直後、霊圧は抑えられた状態にあるが、相手を攻撃、もしくは攻撃を防御するなど、斬魄刀に衝撃を与えることで、斧に彫られた龍の文様が徐々に赤く染まってゆき、斬魄刀の霊圧が上昇。龍の文様が紅く染まりきったとき、霊圧・破壊力共に最大になる。破面エドラドとの最後の打ち合いでは霊圧が龍のあぎとを形作った。
綾瀬川弓親(あやせがわ
ゆみちか)
声 - 福山潤
身長169cm 体重56kg(『カラブリ+』では59kg) 9月19日生まれ
護廷十三隊十一番隊第五席
かなりのナルシストで美しいものを好むが、本当に美しいものを見ると嫉妬する。一角とは古くからの友人で共に行動することが多い。「三」の字に美しさを感じているが、一角が第三席であるためにあえて「三」に似た「五」の席に甘んじている。一角と違い鬼道の心得はある様子。死神になる前、剣八に会った頃はおかっぱではなく、長い髪を後ろで結わえており、現在右の睫毛と眉毛につけている派手なエクステも無かった。
尸魂界救出篇で九番隊副隊長の檜佐木修兵と戦い、真の能力を解放して彼に勝利を収めており、副隊長クラスの実力を持っているが、十一番隊の風潮でひた隠しにしている。
破面襲来の報を受け、一角について来る形でルキアらと共に現世へと派遣され一護と再合流する。
アニメのバウント篇でも現世に赴き、バウントの隠れていた遺跡を見つけるなどの活躍を見せた。藍染の現世侵攻の際は転界結柱の守護を担当、破面シャルロッテ・クールホーンとの対決を、斬魄刀の真の始解で勝利を収める。
斬魄刀:『藤孔雀(ふじくじゃく)』
能力解放と共に4枚の刀身を持つショーテル状の武器に変形、これは始解の途中の状態である。
乱菊の「灰猫」同様、「具象化」「屈服」させられておらず、卍解の一歩手前の様子。性格は弓親によると「高飛車で偉そうで自分のことを世界一の美形だと思っている」らしい。それ故に弓親のカンに触り、対話した直後思わず刀を折ろうとしたほどだが、それを聞いた乱菊は「あんたにそっくり」と評した。
解号は「咲け『藤孔雀』(さけ『~』)」。なお藤孔雀は弓親がつけたあだ名である。
『瑠璃色孔雀(るりいろくじゃく)』
藤孔雀の本来の名称であり、真の能力でもある。能力解放と共に無数の箇所に蕾を付けた蔦状に変化し敵に絡み付いて霊圧をことごとく吸収する能力を持つ鬼道系の斬魄刀(その時に蕾から百合に似た花を咲かせる)。前述の暗黙がある故に十一番隊の隊士とりわけ剣八や一角に知られるのを嫌うため、他の者にはこの能力はひた隠しにしている。尚、その花を口にくわえる事で、吸い取った霊力は自分の力として体に蓄えることができる。
解号は「裂き狂え『瑠璃色孔雀』(さきくるえ『~』)」(ゲーム版での解号は瑠璃色孔雀の名が明らかになっていなかったのか、「裂き狂え『藤孔雀』(さきくるえ『~』)」となっている。)
本人曰くこの斬魄刀は色の好みがあり、瑠璃色は斬魄刀の好きな色であり、藤色は斬魄刀の嫌いな色で、藤孔雀と呼ぶことで拗ねて力が制限されるという。
荒巻真木造(あらまき
まきぞう)
声 - 長島雄一
護廷十三隊十一番隊隊員
十一番隊十年目の男。やちるに「マキマキ」と言うあだ名を付けられる。一時期「ヒゲチョロ」とも呼ばれていた。
席官ですらない全くのヒラ隊員だが、旅禍騒動のさなかに偶然から井上織姫の身柄を託され、十一番隊詰め所まで連れて行った。このとき、剣八が旅禍に興味を示していたことから一時行動を共にすることとなり、それが縁で以後もなんとなく上位席官の身近にいる。
石田曰く「井上の方が霊圧は遙かに上」らしいが、逃れようと暴れる織姫を手刀一発で気絶させている。