直線上に配置


エピソードT:はるかの誕生物語(後編)

さっそく分娩室に移動させられたパパとママ。薄暗い廊下を歩く。。。まわりの部屋からは女性の絶叫が聞こえてくる。
「いだ〜い〜!あ゛〜っ!」真夜中の病棟。。。。。もう十分にお化け屋敷!お〜こわっ。 !(TT)!

この病院は好きなスタイルで産んでいいらしい。横だろうが縦だろうが、ワンワンスタイルだろうが立って産もうが。。。
本当に立って産む人いるんだろうか?チャレンジャーだな。でも、もらった説明書の挿絵にはそう書いてある。すごい・・・。

「どれで産みますか?」ママは畳に布団を敷いてもらい、横になって産むことにした。(レストランでメニュー選ぶんでもあるまいし・・・)
「布団は産む前で先にお願いします。敷き加減は柔らかめで・・・」なんて言ったらそれこそ座布団2枚あげちゃうがそんな余裕はもちろんなかった。

助産婦さんがやって来て準備にとりかかる。ちなみにパパも立会いOKなので当然ママの枕元で応援だ。
ママのお腹に心音が聴ける装置をつける。赤ちゃんの心音の早いこと早いこと!まるでポンポン船の音のように早い。

そしてついに、お産が始まった!。。。うんとこどっこいしょ、ってな感じで頑張ってます。しかしながら少し気になる点が・・・。
赤ちゃんの心音が壊れたカセットテープのように早くなったり遅くなったり、さらにすご〜く遅くなったりしてるんですけど〜っ! !(゚0゚)!

ん?。。。助産婦さんも口調は穏やかですが表情は結構アセってますけど〜っ!
途中から、ママではなく助産婦さんを応援している自分がいた・・・。「助産婦さん頑張って!心臓止まっちゃう!

「破水しました!頭が出てきますよ」。ママのお腹越しに赤ちゃんの頭が見えた!お〜!すげ〜っ!
破水した水は少し黄色がかった色をしていた。相変わらずの心音がジェットコースター状態だったが、なんとか全部出てきそう。

スタートして約2時間。無事に全部出てきた!。。。。
さ〜てパパの出番だ!ここはひとつ、ハサミでも持たせてもらってヘソの緒でもバチーンと切りましょうか!
って、あれ?え?なんかすんごく慌ててますけど・・・そんでもって、すんごく手際よくヘソの緒を絡まった赤ちゃんの首からはずしてますけど・・・そして当然のように看護婦さん切っちゃいましたけど。。。ヘソの緒。。。。。。。あれ〜っ?

看護婦さん達、急いで隣に置いてある小さな診察台に赤ちゃん乗せて、鼻や口にチューブさしこんでガーガーやってます。
ただただボーゼンと見ているパパとママ。そして気が付いた・・・。赤ちゃん全然泣いてないんですけど〜!(TT)

と、その時・・・「おぎゃ〜っ!」っとようやく泣き始め、少しホッとしたパパ。看護婦さんがやっと赤ちゃんを抱えて来てくれた。
「元気な赤ちゃんですよ」って言ったら「うそつけっ!」ってつっこむところだが、ちゃんと正直に話してくれた。

「ヘソの緒が何重にも首に巻きついてましたので少し心配でしたけど大丈夫です。苦しくてママのお腹の中でふんばってウンチしちゃったみたいです。それを自分でも飲み込んじゃってましたので吸い取りました。」

へ〜、心音の乱れは苦しがってた音で、破水の黄色はウンチの色で、パパの出番はそれどころじゃなくて、泣かなかったのは喉にウンチが詰まって窒息状態だったんだ・・・。ふ〜ん、結構やばかったんだ・・・・・全然、無事じゃなかったのね!

でもおかげさまできれいにクリーニングしてもらい・・・・あ、頭にウンチがまだこびり付いてる・・・。あ、ここにも・・・。

2464kgで未熟児一歩手前だったので、保育器に数日間お世話になった。その間はこびり付いたウンチ君も一緒。。。
そしてある日気が付いた。。。産まれた瞬間、写真も何も撮ってない・・・。そんなこと忘れてた・・・。

数日後、母子手帳に記載されていた産まれた時の状態は・・・「新生児仮死」でした。。。。。。こわっ!

最近、ハルカに聞いた。「ママのお腹の中のこと覚えてる?どんなだった?」
「暗かった。赤くて、黒かった」。なるほどね〜、いかにもそれっぽい。「早くでておいで〜って言ってた」ふんふん確かに言った。
さらにハルカに聞いた。「産まれてくる時は覚えてる?」
「明るかった。黄色かった」。お〜、部屋の明かりか?確かにね。でも君の黄色はウンチの黄色でしょ。
そしてハルカに聞いた。「出てきた瞬間は覚えてる?」
・・・・・・「覚えてない・・・」。この時には仮死状態だったのか?。。。。また今度聞いてみよう・・・。

メークミラクルな始まり方をした初めての出産は、仮死からの復活というミラクルで幕を閉じた。
産まれる前からウンチを食っていた。。。。。グルメ王ハルキチの誕生だ。
                  :
                  :
                  :
                  :
0歳で
粉ミルクより母乳をこよなく愛し、離乳食には口を付けず

1歳で
コンビニの温野菜セットを「おいしくない」といやがり(なるほどデロデロですごくまずかった)

2歳で
ケーキ屋のチーズケーキを一口で「まずい」と残し(たしかに珍しくまずいチーズケーキだった)

そして3歳の誕生日に焼肉をリクエストする娘(もうチェーン店に行くわけにはいかない)。。。将来、美食アカデミーでも設立する気か・・・・・。


これからも伝説は続く・・・・
(完)

他の実録を検索

今どきのハルキチへもどる

トップページへもどる

直線上に配置